インターネット利用と文化:国際比較データによる分析
要旨
インターネット利用行動への文化の影響を国際比較データ(World Values Survey)を用いて分析した。日本人は,チャットやメッセンジャーなどの利用率が低いのに対して,ブログやTwitterのように匿名的コミュニケーションの利用は活発であるという特徴がある。また,インターネットへの信頼は低い。Schwartzの価値観を独立変数に用いて,インターネット関係の行動を従属変数とするマルチレベル分析を行った結果,国レベルの変数としては「快楽主義」の価値観だけがインターネット利用と有意に関係していた。一方,個人レベルでは,「自己決定」「刺激」「快楽主義」といった個人主義的な価値観がインターネット利用と正の相関があった。予想に反して,他人への信頼は個人,国レベルともインターネット利用と負の相関を示した。
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