オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice)傾向の比較: IMC違反率を指標として
要旨
本研究は,オンライン調査における努力の最小限化(Satisfice; 調査協力者が調査に際して応分の注意資源を割かない行動)について,特に教示を精読しないものに焦点を当てて,その出現比率が協力を依頼した対象集団によってどの程度異なるかを検討した。検出項目にはIMC (Instructional manipulation check) を用いて,ネット調査会社,クラウドソーシングサービス,大学の参加者プールの登録者を対象として,7つのサンプルからデータを収集した結果を比較した(n=22,646)。ネット調査会社モニタにおける努力の最小限化出現比率が,クラウドソーシングサービス登録者や大学の参加者プール登録者より高いことが示された。こうした違いは,回答に際する動機づけの差異によるものであり,それはモニタや登録者の管理方法に起因するのではないかと考えられる。
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